幕末から明治にかけて伊那谷を放浪した俳人、井上井月(せいげつ)をしのんで9月3、4日に伊那市で開く「千両千両井月さんまつり」(実行委員会など主催)を前に、井月を描いた映画「ほかいびと伊那の井月」で監督を務めた井月顕彰会会長、北村皆雄さん(73)=伊那市美篶出身、東京都=らが12日夜、市春日公園の「伊那の勘太郎碑」前でまつりをPRした。
4回目となる今年のまつりでは、戦中・戦後にヒットした映画の主人公「伊那の勘太郎」に焦点を当て、幕末に生きたアウトローという共通点から2人を考察するシンポジウムも開く。
勘太郎が尊王攘夷(じょうい)派「天狗(てんぐ)党」を助けるという粗筋の映画が制作された一方、井月にも天狗党の知人を訪ねたという逸話が残る。北村さんは「伊那の人にとって、勘太郎は実在かフィクションか区別できないほど親しまれている存在。2人を同時に検証したい」と来場を呼び掛けた。
まつりは同市荒井のいなっせが主会場。井月を敬愛した種田山頭火についてのシンポ、俳句大会などもある。問い合わせは市教委(電話0265・78・4111)へ。