観光イベントが開催されていない時期でも村上市のまち歩きを楽しめるマップ「越後村上・まち巡り」を、村上商工会議所が発行した。城下町など三つのテーマに沿って村上を探訪するモデルコースを提案。地元特産の食や伝統工芸などに触れる約100店を紹介する。観光案内所や旅館、道の駅、掲載店などで無料配布している。
村上市では春に「町屋の人形さま巡り」、秋には「町屋の屏風(びょうぶ)まつり」など、年間を通してさまざまな観光イベントが開かれている。しかし、イベント外の時期には、行われていない行事のパンフレットを手に散策する観光客の姿も見られた。
「日常の村上にも良さがある」。通年観光を事業計画に掲げる商議所は、普段から観光客を集められるマップ作りを企画。国の補助金を得て、11月初旬に6万4千部を作製した。主要施設で配布し、インターネットでも公開する。
完成したまち歩きマップはA4判44ページ。散策のモデルコースとして、旧市街地を中心に「城下町巡り」「手仕事巡り」「塩引き街道巡り」の3ルートを提案する。いずれも地図と道順、周辺の見どころを掲載し、30~50分ほどで回れる。
村上自慢の鮭(さけ)料理をはじめとした飲食、鮭の加工品や村上木彫堆朱といった土産品購入の参考にもできるよう、多彩な店舗と一押し商品も充実。「見る」「食べる」「買う」情報を豊富に提供する。
観光客にも早速使われ、好評だ。16日に仙台市から訪れた15人は、引率する村上市観光ガイド会の磯部正明さん(69)から1部ずつ受け取り、まち巡りに活用。国指定重要文化財の浄念寺(同市寺町)や大町、小町の町屋などを見て歩いた。
磯部さんは「マップを使った案内は初めてだが、テーマごとに地図が分かれているので使いやすい」と手応えを語る。仙台市青葉区の主婦(70)は「見ながら話を聞くと、見学してきた場所との位置関係も分かっていい」と評価した。
問い合わせは村上商議所、0254(53)4257。