十日町市と津南町で開催される「大地の芸術祭」を主催するNPO法人「越後妻有里山協働機構」は、新しいアイデアへの支援者を募るクラウドファンディングサイトで地場産品を紹介するプロジェクトを始める。第1弾として十日町市の地酒「天神囃子」のデザインを一新し、「大地の芸術祭エディション」として8日から販売する。
販売するサイトは「Makuake(マクアケ)」。クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の支援者からプロジェクトに対する出資や協力を募る手法。地場産業を応援する活動も展開する同機構が、妻有地域の隠れた名品を広くPRしようと企画した。
天神囃子を製造する魚沼酒造は1873年創業。県産の酒造米を魚沼山系の伏流水で仕込む清酒は、米のうまみをしっかりと感じる「旨口」の味わいが特徴という。今回販売するのは純米大吟醸原酒、純米吟醸、特別純米酒の3種類でいずれも720ミリリットル入り。
ボトルデザインは三条市出身のアートディレクター白井剛暁さんが手掛けた。天神囃子は、地域で歌い継がれている祝い唄で豊作祈願の唄ともされる。ラベルにはそれぞれ美人林や棚田のあぜ、はさ掛けの稲をイメージ。ロゴは扇子をモチーフにした「天」の文字で、歌い踊る人も表現した。
「幸せな気分になる酒を目指している」という魚沼酒造は「こんな酒があるのだと味わってもらい、十日町に足を運んでくれればと思う」と話す。同機構は「地域の小さな酒蔵の挑戦を応援したい」としている。
5千円から9万円の6コースを用意した。販売は来年2月28日まで。問い合わせは「大地の芸術祭の里」総合案内所、025(761)7767。