県内の酒造メーカーで、新酒の仕込みが最盛期を迎えている。二十四節気の「小寒」の5日、清酒「勝駒」の蔵元、清都酒造場(高岡市京町)では杜氏(とうじ)や蔵人(くらびと)が酒造りに精を出していた。
小寒から節分までの寒中は酒造りに最適とされ、同酒造場では毎年、高級酒の大吟醸の仕込みに取り組んでいる。築120年以上の酒蔵には芳醇(ほうじゅん)な香りが漂い、大型の醸造タンクの中では乳白色の「もろみ」がふつふつと音を立てて発酵。蔵人は長いかい棒を使い、温度や発酵具合を均一にするため、丁寧にかき混ぜていた。
清都康介社長(66)は「気温が高いので仕込みが難しいが、杜氏の経験で調整し、爽やかな酸味が特長の香りの良い酒に仕上がった」と話した。今年の新酒は、来週半ばごろから、大吟醸は3月から店頭に並び始める。
この日の最低気温は富山、高岡(伏木)とも2・5度で、各地で3月上~下旬並みだった。ただ寒気の影響で日中は気温が上がらず、雪がちらつく所もあった。