豊作を願い「午の舞」を披露する子どもたち=南砺市利賀村

豊作を願い「午の舞」を披露する子どもたち=南砺市利賀村

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利賀で「初午」 200年の伝統つなぐ

北日本新聞(2017年1月10日)

 南砺市利賀村で200年以上にわたり、子どもの手で受け継がれている国選択・県指定無形民俗文化財の伝統行事「初午(はつうま)」が9日、同村の上村(うえむら)集落で行われた。過疎化のため、集落のみでは担い手をそろえられないため、集落外からの応援で小中学生計9人を確保。各家で豊作や家内安全を祈って「午の舞」「俵(ひょう)ころがし」を披露した。

 屋根や路上に数センチの雪が積もる中、神主の装束や法被姿の子どもたちが、民家や事業所計25カ所を回った。座敷などで神主役が大黒柱に向かい祝詞を奏上。「乗り込んだ、乗り込んだ、お午が乗り込んだ」の歌と太鼓に合わせ、稲わら製の馬の頭と尾を振り、前後に動いた。

 「俵ころがし」では「一つ転がしゃ一千貫の俵」など縁起の良い掛け声とともに、米俵を転がし、重そうなしぐさで引き寄せた。

 初午は江戸時代後期に村の主要産業だった養蚕の繁栄などを祈り、始まったとされる。もともとは村中心部の上村、下村(したむら)、岩渕の3集落で行われていたが、少子化のため現在は上村のみで伝承。今年は上村の子どもは3人にとどまり、出身者の子4人、上利賀地区の2人の応援を得て、小学1~中学1年の計9人で実施した。

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