中長期ビジョンに夜間営業の実施を盛り込んだ立山黒部アルペンルート=昨年4月、雪の大谷

中長期ビジョンに夜間営業の実施を盛り込んだ立山黒部アルペンルート=昨年4月、雪の大谷

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アルペンルート夜間運行へ 立山黒部貫光

北日本新聞(2017年2月3日)

 立山黒部貫光(富山市桜町、佐伯博社長)は今後5年間で、夜間運行をはじめとする立山黒部アルペンルートの営業時間延長や期間拡大に取り組む。新たに策定した同ルートの中長期ビジョン(事業戦略)に中期目標として盛り込んだ。長期的には、現在は休業期間としている冬季の営業や室堂ターミナル周辺での新たな観光施設建設などを検討し実現を目指す。利便性や魅力を高め、ルート一帯を世界有数の山岳リゾート地に育てる。

 ビジョンは2041年のルート全線開通70周年へ向けて策定した。21年までの5年間の中期と、41年まで25年間の長期の目標をそれぞれ設定。目指す将来像を「世界に類を見ない山岳リゾートエリア」と定めた。

 営業期間の拡大は既に、今シーズンの全線開通日を例年より1日前倒しして4月15日に決めた。営業時間の延長については、5年後までに立山ケーブルカーや立山高原バスなどを夜間運行する方針で、同社は「北アルプスの星空を日帰りで気軽に楽しんでもらえるようにしたい」(経営企画室)としている。実現に向けて、安全面や労務面などの課題の洗い出しや解消に取り組む。

 長期目標に掲げた冬季営業についてはより課題が多いものの、行政など関係機関とも連携、協議しながら実現を模索する。現在は4月中旬から11月末までとなっている営業期間の通年化を目指す。

 このほか、ルート内の乗り物の待ち時間短縮や予約システムの改善、案内係の増員、国際ガイドの育成なども今後5年間で実施する。長期目標としては、観光客が集まる室堂ターミナル周辺に観光関連施設を新設。悪天候でも観光客がある程度満足できるようにしてリピーター増につなげる。

 こうした中長期の取り組みを通じて、同社は大自然と黒部ダムなど人間の営みが共存しているルートの魅力を広く伝えていく方針。併せて立山信仰の歴史や文化も国内外に発信したいとしている。

 ビジョンは山岳観光の専門家として知られる山田桂一郎氏(JTIC SWISS代表)を座長に、同社幹部のほか県と立山町など自治体関係者や観光業者らで構成する社内委員会で昨夏から検討を重ねてまとめた。

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