高岡、南砺両市と東京芸術大などが産学官連携で作った「国宝 法隆寺金堂釈迦(しゃか)三尊像」の再現像が完成し9日、高岡市のウイング・ウイング高岡で初の内覧会が行われた。科学技術と高岡銅器、井波彫刻の技を生かし、本物そっくりの「クローン仏像」に仕上がった。一般公開は10日から20日まで。入場無料。
再現像の制作は高岡、南砺両市や東京芸術大などでつくる協議会が2015年度から取り組んできた。同大が計測したデータを基に3Dプリンターで原型を作り、高岡市の鋳物メーカーが釈迦三尊像と後ろの大光背(だいこうはい)を鋳造した。台座は南砺市井波地域の職人が手掛けた。
この日は会場でオープニングイベントがあり、再現に携わった職人や同大関係者が思いを語り合った。
釈迦三尊像は1400年前の飛鳥時代、仏師の鞍作止利(くらつくりのとり)が聖徳太子の病気回復を祈り作った。釈迦如来像(高さ87・5センチ)と左右の脇侍(きょうじ)(同約90センチ)で構成し、門外不出とされている。