現存するエンジン付きの消防車で県内最古とされる「チャンドラ号」の修復が完了し、21日、砺波市大辻の砺波消防署の展示施設に納車された。28日から一般公開する。
チャンドラ号は米フォード社製で、出町消防組(現砺波市消防団出町分団)が1928年に購入。当時、エンジン付きの消防車は珍しく、県内の消防活動に活躍した。出町分団の車庫に保管されていたのを83年から砺波チューリップ公園で展示していたが、雨風によるさびや破損などの老朽化が目立ち、おととしから修復を行っていた。
修復は老松自動車工業(同市広上町)が担当。塗装をし直し、足りないパーツは外国から取り寄せたり手作りで補ったりして、当時の車両を再現した。老松満社長は「鉄板の腐食などが激しかったが、立派に仕上がった」と満足げだった。
新設の展示室は透明なシャッターを設け、外からもチャンドラ号が見える。公開後は運転席への試乗体験も検討している。宮口孝志副署長は「防火のシンボルとして地域住民に親しんでもらいたい」と話した。
工事費は車両が539万円、展示室が763万円。