富山湾の春の風物詩、ホタルイカ漁を見学する「ほたるいか海上観光」の今季の運航が12日、滑川沖で始まった。定置網に掛かったホタルイカが青白い神秘的な光を放ち、観光客らを楽しませた。海上観光は今年、一度は中止が決まったが、民間による実行委主体で実施された。5月2日まで。
12日は県内外から、ほぼ定員となる39人が参加した。午前3時ごろ、参加者を乗せた観光遊覧船が漁船に続いて滑川漁港を出発。沖合約1・5キロで漁師が網を引き揚げると、暗闇にホタルイカの青白い光が浮かび上がり、船上からは歓声が起こった。運航終了後は、ボイルしたホタルイカが参加者に振る舞われた。
高校時代の同級生と初めて参加した東京都文京区の主婦、安部和美さん(69)は「ずっと参加したいと思っていたので、中止の連絡を受けた時はショックだったけど、無事体験できて良かった。ホタルイカの淡い光がとてもきれいだった」と興奮気味に話した。
滑川市の石川忠志副市長は「長年続く伝統の観光を民間の皆さんの力で何とか実施できて何より。来年からは市が再び責任を持ってやりたい」と語った。
予約は5月1日まで可能で、平日はまだ空きがある。