安曇野市三郷温の住吉神社で30日、五穀豊穣(ほうじょう)などを願う例大祭本祭りの「お船祭り」があった。楡(にれ)、住吉両区の氏子らが船形の巨大な山車「お船」を引き、神社までの参道を勇壮に進んだ。
安曇野市を含む「安曇平のお船祭り」は「穂高型」と呼ばれるお船に特徴がある祭りとして3月、記録を残すべき無形民俗文化財(国選択無形民俗文化財)に選ばれた。市教委によると、住吉神社のお船祭りも穂高型とみられる。
住吉神社のお船は長さ十数メートル、高さ5メートルほど。若手の氏子らが「せーの」などと声を上げ、笛や太鼓の音に合わせてゆっくりと曳行(えいこう)。社殿前で神事をした後、お船の前後を上下に激しく傾けると、集まった人たちから大きな拍手が沸いた。紅白のもち投げや地元の子どもによる「浦安の舞」の披露もあった。
氏子総代会長の丸山富生さん(71)は「伝統を次世代に受け継ぎ、地域を盛り上げたい」と話していた。