19日に開幕する福井県無形民俗文化財「三国祭」を前に、人形山車(やま)を地元住民に披露する「渡り初め」が13日、福井県坂井市三国町地域の各山車当番区で行われた。囃子(はやし)方を乗せた5基が堂々と町内を練り歩き、本番に向け祭りのムードが高まった。
この日は、20日に巡行する6基のうち岩崎区の「大谷吉継」、中元区の「竹抜五郎」、三国祭保存振興会の「徳川家康」、滝本区の「加藤清正」、下台区の「柴田勝家」の5基が渡り初めを行った。
5年に1度、東滝本区と西滝本区が合同で山車を奉納する滝本区では、三国祭保存振興会が住民の要望を受け、戦国時代の武将加藤清正を制作した。白い陣羽織をまとい、猛将らしい迫力ある顔つきが特徴。
住民ら約30人が山車をひき、声を掛け合いながらかじ取りや旋回の速さ、電線の回避などを確認。囃子方の子どもたちを乗せ、ゆっくりと練り歩いた。本番では通らない細い路地も通り、地元の人たちに人形を披露した。
西滝本区の岩﨑滋区長(68)は「清正が築城した熊本城の復旧への願いも込めた。本番はぜひこの勇姿を見に来てほしい」と話していた。
上八町(うわまち)の「忍者児雷也(じらいや)」は14日午前9時半から渡り初めを行う。
16~21日、巡行する山車6基を各山車蔵で展示する。期間中は大門区、松ケ下区、元新区など今回巡行しない山車も各蔵で公開する。
山車巡行は20日午後1時、三國神社を出発する。