ろうそくのほのかな明かりの中、奉納された能=瑞龍寺

ろうそくのほのかな明かりの中、奉納された能=瑞龍寺

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利長しのび燭光能 高岡・瑞龍寺

北日本新聞(2017年5月21日)

 高岡開町の祖で加賀藩2代藩主の前田利長をしのぶ「利長忌」が20日、利長の菩提寺(ぼだいじ)の国宝瑞龍寺(高岡市関本町)であり、「燭光能(しょっこうのう)」が奉納された。利長の位牌が置かれた法堂(はっとう)で、ろうそくの明かりが揺らめく中、参拝者らが幽玄の世界を堪能した。

 追善法要の後、高岡能楽会が燭光能を奉納した。演目は「融(とおる)」。風雅を愛した左大臣源融(みなもとのとおる)の亡霊が、月の都に住む貴人として都に現れ、名月の下で優雅に舞う。シテを広島克栄師(国重要無形文化財総合指定保持者、金沢能楽会)、ワキを苗加登久治師(同、同)、大鼓を飯島六之佐師(同、同)、小鼓を住駒幸英師(同、同)、地頭を藪俊彦師(同、同)が務めた。

 奉納後、市民コーラスグループ「ながれ雲を歌う会」(花田喜代美代表)のメンバー約20人が、瑞龍寺讃歌「ながれ雲」などを合唱した。国宝瑞龍寺保存会(綿貫民輔会長)の総会も開かれた。元高岡市立博物館長の神保成伍さんが「ほとけとの出会い 前田利常公寄進の渡来佛」と題して記念講演した。

 燭光能は、3代藩主の利常が利長の33回忌に行ったのが始まりとされている。1984年に同保存会が利長忌を始めてから毎年、高岡能楽会が奉納している。

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