初公開となった良寛の書やゆかりの品などが並ぶ良寛の里美術館の春の特別展=24日、長岡市島崎の同美術館

初公開となった良寛の書やゆかりの品などが並ぶ良寛の里美術館の春の特別展=24日、長岡市島崎の同美術館

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地域に残る良寛の心 長岡・和島で遺墨展 初公開の漢詩も

新潟日報(2017年5月25日)

 6月に長岡市で開催される全国良寛会長岡大会を前に、同市島崎の良寛の里美術館で24日、春の特別展「わびの結晶 晩年の良寛遺墨選」が始まった。掛け軸やびょうぶなど45点が並び、良寛晩年の漢詩2点などが初公開されている。

 同美術館の主催。初公開となった2点の漢詩は、同美術館がある長岡市和島地域の個人宅で見つかった。

 1点は良寛の代表的な詩の一つ「今日乞食逢驟雨」で、清貧を貫いたとされる良寛の生き方が表れている。消え入りそうな文字でありながら、最後まで筆が走り、「良寛書」の署名が入っている。

 もう1点は良寛が交流のあった禅僧の有願をしのんで詠んだとされる詩。「大江茫々として春まさに暮れんとす」で始まり、良寛特有のくずし字ではなく、直線が目立つ書体となっている。

 良寛が晩年に身を寄せた木村家に伝わる通行手形や質屋の営業許可証も初めて公開された。良寛が使った布団の切れ端など珍しい品も並んでいる。

 柏崎市谷根から訪れた男性(73)は「良寛さんの素晴らしさを改めて実感した。柏崎にもゆかりの品があるので、自分でも調べてみたい」と話した。桑原剛館長は「この機会でなければ見られない作品も多い。大勢の人に良寛の文芸を知ってほしい」と話している。

 7月19日まで。午前9時~午後5時。高校生以上500円。小中学生300円。問い合わせは同美術館、0258(74)3700。

 全国良寛会長岡大会は6月3日、アオーレ長岡で。

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