「日本の棚田百選」に選ばれている上田市殿城の「稲倉の棚田」で27日、棚田オーナーらの「お田植えまつり」が開かれた。本年度から新たに募り、醸造した日本酒を受け取れる酒米のオーナーを含む41組137人が、汗を流して田植えを楽しんだ。
田植え前に、神事と舞の奉納で五穀豊穣(ほうじょう)と1年間の安全を祈願。初参加のオーナーの中には泥に足を取られて転びそうになる人もいたが徐々に慣れていった。初体験という酒米オーナーの戸田隆士さん(52)=神奈川県鎌倉市=は「泥の感触は新鮮。自分で田植えや稲刈りをしてできた酒はおいしいと思う。飲むのが楽しみ」と話していた。
オーナー制度は地元の保全委員会が2006年に導入。会員制交流サイト(SNS)などで広報に力を入れ、オーナーは昨年の42組から70組に増えた。委員長の金沢正明さん(73)は「オーナーが増えてにぎやかになった。保全委の農作業の負担も減るので助かる」と感謝していた。