開いた小ブナの両面に焦げ目が付くまで焼き上げる野中さん

開いた小ブナの両面に焦げ目が付くまで焼き上げる野中さん

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伝統「すずめ焼き」今季初 諏訪湖産小ブナの串焼き

信濃毎日新聞(2017年6月10日)

 諏訪市の漁師、野中三也(さんや)さん(84)と妻の享子さん(83)が9日、郷土食「すずめ焼き」にする諏訪湖産の小ブナの串焼きを今季初めて作った。この日までに取った約100匹を自宅の作業場で背開きにし、天日で約4時間干してから、専用の魚焼き器で焼き目を付けた。

 野中さんは、諏訪湖で小ブナ漁を続ける数少ない漁師。串刺しで焼いた小ブナは諏訪湖漁協(諏訪市)に出荷し、諏訪湖周辺の川魚店に卸される。各店は油で揚げ、しょうゆや砂糖で煮付けて店頭に並べる。

 野中さんはこの日も早朝から諏訪湖に出て、刺し網で20匹余を取って帰った。2人は手際良く小ブナをさばき、2匹ずつ串刺しに。小ブナを焼き始めると、作業場の外にも香ばしい香りが広がり、野中さんは「このにおいはみんな良いって言ってくれる」と話していた。

 諏訪湖では今季、小ブナ漁も不振。例年2〜6月が漁期だが、試し取りがうまくいかなかったため、野中さんは今月6日に初めて網を仕掛けたばかり。この日焼いた100匹は、出荷せずに自家用にするという。

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