鎖国の時代に外国に漂着した日本人らの体験記の展示「江戸時代の漂流記」が7月5日まで、越前市中央図書館で開かれている。関連本は貸し出し可能で、航海中に事故に遭った漂流民たちの奇跡の生還劇に触れることができる。
同館が所蔵する江戸時代の漂流記写本5冊を並べた。1782(天明2)年に遭難し、ロシア女帝エカテリーナ2世に謁見(えっけん)した大黒屋光太夫に関する「魯西亜(ろしあ)奇談全書」はイラストページを開いて展示。1826(文政9)年に当時の中国に漂着した越前国の船について書いた写本などもある。
関連コーナーの本は、光太夫やアメリカ本土に渡ったジョン万次郎らに関する書籍を集めている。橋本美帆館長は「漂流記は日本が閉ざされていた時代に海外の様子を伝えるもので、当時も関心が高かったと思う。展示を通して当時に思いをはせてもらえれば」と話している。