田中さん(中央)の解説を聞きながら作品鑑賞する来場者=福光美術館

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チベット仏教の神秘紹介 福光美術館で仏画展開幕

北日本新聞(2017年7月2日)

 南砺市福光美術館の企画展「デルゲ印経院(いんきょういん)チベット木版仏画展」が1日、同美術館で開幕した。中国・四川省チベット族自治州の印経院が制作した木版仏画145点を国内で初めて一堂に並べ、チベット仏教の神秘性を伝えている。8月20日まで。

 デルゲ印経院は1729年に創設され、チベット仏教の経典を印刷してきた。象徴的な図像を後世に正しく伝えるため、木版仏画の制作にも取り組んできた。1966年の文化大革命で版木が破壊の危機にひんしたが、関係者の尽力で難を免れ、現在まで守り伝えられている。

 展示作は、南砺市利賀村上畠の瞑想(めいそう)の郷の収蔵品。釈迦(しゃか)や十六羅漢などを描いた23幅組の作品や、釈迦の誕生から涅槃(ねはん)までを表現した9幅組の仏伝図、チベット仏教各宗派の祖師を主題にした作品などを紹介している。彩色画や、カーラチャクラ(時輪金剛)の仏像も並ぶ。

 開会式があり、田中幹夫市長があいさつし、才川昌一市議会議長が祝辞を述べた。99年に印経院に赴き、版画を入手した瞑想の郷主任学芸員で中村元東方研究所専任研究員の田中公明さん(東京)が作品解説した。

 企画展は「なんとの至宝展パート6」として開かれた。北日本新聞社共催。16日には浦辻一成瞑想の郷館長によるセミナー、23日にはドキュメンタリー映像「チベット天空の英雄 ケサル大王」の上映会がある。問い合わせは美術館、電話0763(52)7576。

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