魚津市内の若手料理人ら8人が、新川地域の食文化を受け継ぎ発信しようと「新川食文化研鑽(けんさん)会」をつくった。勉強会を開き県内外の団体と交流するなどし、食を軸に多彩な分野に関する知識や技術を高める。5日は同市特産のしんきろうトマトを使った料理の試作品を集め、意見交換した。海野文章代表は「さまざまな視点を取り入れながら、地域の食文化を盛り上げたい」と話している。(新川支社編集部・青山晃太朗)
郷土食の伝統文化に理解を深め多様な考え方で新たな料理を考え、未来へ継承し発展させたいという理念を掲げ、5月に発足した。現在は魚津市のあいの風とやま鉄道魚津駅前で腕を振るう料理人ら8人が所属する。
元々は海野代表、若井貞寛さん、美浪呂哉さん、濱多雄太さんの4人が約6年前から集まり、食材の研究会を開いていた。市名物のバイ飯を広めようと、家庭でも簡単に作れるレシピを考案した。4人は互いのアイデアを吸収しながら技術を高め合ってきた。
料理人が会をつくり交流するのは都会では一般的で、横のつながりがあるからこそ、刺激し合い腕前が上がるという。新川地域にはそういった慣習がなかったため、若い世代が自ら学び発信しようと立ち上がった。
この日は、会員がしんきろうトマトを使った料理を、同市釈迦堂の「食彩庵 悠」に持ち寄った。コロッケや水まんじゅうなど計6種類が並んだ。「トマトの食感を生かした」「生産者のアドバイスを参考にして考えた」と報告した。詳しいレシピを聞く会員もいて、意見を出し合った。今後も地域の野菜や魚などを生かしたメニューを作る。
会を立ち上げる際には、市内外の料理人や生産者にも声を掛けた。海野代表は「少しでも興味がある人に参加してほしい。大勢が集まると可能性が膨らみ、新しいものが生まれる」と話す。