戸隠伝統の竹細工の弁当箱にサンドイッチなどを詰めた特製の弁当を披露する秦さん

戸隠伝統の竹細工の弁当箱にサンドイッチなどを詰めた特製の弁当を披露する秦さん

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戸隠味わう竹細工弁当 女性限定飯縄山登山で提供へ

信濃毎日新聞(2017年7月12日)

 長野市の戸隠観光協会とガールスカウト日本連盟が「信州山の日」の23日、「ミセスウェストン祭」として、女性限定の飯縄山登山を初めて企画した。参加者に戸隠伝統の竹細工の箱にサンドイッチなどを詰めた特製の弁当を提供。職人の手仕事の魅力や竹細工の幅広い使い方について、女性の感性に働き掛けながらPRし、地域の売りとして広めようとの試みだ。

 ミセスウェストン祭は、明治時代に日本アルプスを世界に紹介した英国人宣教師ウォルター・ウェストンの妻で、外国人女性で初めて戸隠山に登ったとされるエミリー・ウェストンにちなんだ催し。これまでは戸隠キャンプ場でアウトドア教室などを開いてきた。今年は開催中の大型誘客事業「信州デスティネーションキャンペーン(DC)」に合わせ、登山を企画した。

 弁当は、戸隠登山ガイド組合の事務局で洋食店「小鳥の森」を営む秦孝之さん(51)が作る。女性に好まれるものを試行錯誤したといい、アボカドやブロッコリー、ズッキーニといった地元の高原野菜をクルミパンなどで挟んだ3種類のサンドイッチを用意。アスパラとネマガリダケの肉巻きも付ける。

 弁当箱は、楕円(だえん)形の容器と、一回り大きいふたのセット。竹細工は、そばざるやかごが一般的だが、「竹細工でこうしたものもできると知ってほしい」と秦さん。製作した戸隠中社竹細工生産組合長の井上栄一さん(62)によると、容器とふたがそろったものは、かみ合わせるのが難しく、普段は作らないという。容器、ふたとも、使う竹の数は同じだが、編み込む際に竹の間隔をわずかに変えて、大きさを調整した。

 戸隠地区では、中社と宝光社両区の一部が2月に国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれたことを機に、観光誘客を進めるために、そばや竹細工、ガイドなど、異なる分野の団体が協力する機会が増えたという。「その場所に暮らす人や文化、食べ物が一つになって初めて、戸隠の観光として打ち出せる」と井上さん。今後もさまざまな催しを企画したいという。

 飯縄山登山は女性ガイドが案内。一の鳥居に午前8時50分に集合後、南登山道から山頂へ登り、西登山道を下る。下山後は戸隠の「戸隠神告げ温泉・湯行館」に立ち寄る。参加費4千円。14日までに申し込む。問い合わせは戸隠観光協会(電話026・254・2881)へ。

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