観光客らでにぎわう北アルプス上高地=2日

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上高地の旅館にデジタル無線機 災害時の孤立に備え配備へ

信濃毎日新聞(2017年8月3日)

 松本市安曇の北アルプス上高地の宿泊施設関係者らでつくる上高地消防隊が8月中に宿泊施設にデジタル無線機を配備する計画を進めている。一帯はもろい地質が広がり、地震や大雨による土砂崩れなどで地域が孤立する危険があるほか、活火山の焼岳もある。電気や通信が寸断する可能性もあるため、災害時に使える連絡手段を用意して観光客の安全確保に努める。

 導入する無線機は18台。上高地観光旅館組合に加盟するほぼすべての宿泊施設に1台ずつ備え、災害時に連絡を取り合い、被災状況やけが人の状況などを把握する。消防隊などが情報を集約し、衛星携帯電話で国や県、松本市などに状況を伝えて必要な支援を得られるようにする。

 上高地では2011年6月、釜トンネル近くの産屋沢などで土石流が発生。上高地に通じる道路が寸断されて観光客が孤立し、一時電気や衛星携帯電話以外の通信も途絶えた。その後、再発に備え、宿泊施設の関係者らが中心となって対策を考えてきた。

 その一環で、市は15年、消防隊の詰め所と備蓄倉庫を上高地のバスターミナル近くに新設し、衛星携帯電話や発電機を置いた。16年には、地元の奉仕団体から寄贈を受けた2台のデジタル無線機を配備。今夏はそれを増やして各宿泊施設に置き、9月1日の防災の日には大雨による土砂災害を想定した情報伝達訓練を計画している。

 消防隊長で、上高地の手前の坂巻温泉で旅館を営む上松明弘さん(64)は「無線機を用意しておくことで情報を共有できるようにしておき、地域の孤立にも対処していきたい」と話している。

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