福井県大野市城町の武家屋敷旧内山家で5日、企画展「家老 内山良休」が始まった。初公開となる大野藩主・土井利忠が内山七郎右衛門良休に宛てた手紙など14点が展示され、訪れた歴史ファンや観光客が見入っていた。
利忠からの手紙「慰撫状」2点をはじめ、2人の肖像、利忠が愛用したとされる煙草盆、家紋付き羽織などが並べられている。
良休は藩の財政再建で手腕を発揮した。慰撫状は1843年と60年に利忠の直筆で送られ、「殿」が良休に寄せた信頼の大きさがうかがえる。
1通目は良休の質素倹約の締め付けに町民から不満が上がる中「例え戯れごとを言う物があっても私に任せ、一向に心配することなく」といった内容。2通目は隠居を願い出ていた54歳の良休を「十数年来、一生懸命勤めてもらったことは大変なことだった。気の毒ではあるが、どうかこれまでどおり」などとなだめている。
福島市から夫婦で観光に訪れた後藤まつ子さん(50)は「とても丁寧な字で書いてあり、(全体の)保存状態も良く素晴らしい」と見つめた。
企画展は来年2月末まで。展示物は小説の展開に合わせ会期中数回、入れ替える予定。
会場の旧内山家の開館は午前9時~午後4時(日曜、祝日は午後5時まで)。入館料は大人200円、中学生以下無料。