イリセンが開発した「おかしなかんてん」。そのままサクサク食べられる

イリセンが開発した「おかしなかんてん」。そのままサクサク食べられる

長野県 蓼科・八ヶ岳・諏訪 グルメ 特産

スナック感覚の「寒天」 諏訪の業者、開発に8年

信濃毎日新聞(2017年8月23日)

 面倒な調理を省いて諏訪特産の寒天をもっと身近にと、諏訪市の寒天製造販売イリセンが菓子のように食べられる寒天を開発し、「おかしなかんてん」と名付けて販売を始めた。8年かけて乾燥や味つけを工夫。形が規格外で安値でしか販売できなかった「はねだし品」の有効活用にもつなげたいとしている。

 おかしなかんてんは薄茶色で、細かくちぎった棒寒天のよう。通常の寒天はかみ砕きにくいが、サクッという歯応えとともに、甘辛いせんべいのような風味が広がる。専務の茅野文法さん(36)が口溶けの良さと食感を楽しめる乾燥方法にこだわり、試行錯誤してきた。

 味つけはしょうゆと砂糖だけでカロリーを抑え、寒天のヘルシーさはそのまま。「業界の発展につながる商品になるのではないか」と自負し、今後、しょうゆ風味以外のさまざまな味付けにも挑戦していきたいとしている。

 寒天製造はこのところ暖冬に悩まされ、後継者不足もあって、諏訪地方の年間生産量は1940(昭和15)年ごろの約1200トンから70トンほどに減少。茅野さんは「諏訪の寒天作りの灯を消したくない」と、これまでにも原材料のテングサの節約や製造工程の効率化、角寒天に熱いスープやみそ汁をかける手軽な食べ方の提案を重ねてきた。

 おかしなかんてんは今年はイリセン直販店だけで取り扱うが、来年以降は地元のスーパーなどにも卸したいという。茅野さんは「土産や居酒屋でのつまみにも適していると思う。諏訪の新名物に育てたい」と意気込んでいる。

 20グラム入り540円、5グラム入り162円(共に税込み)。

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