打刃物について学んだ埼玉大の学生らが、成果を披露した作品展「むすんでひらいて」=長岡市の与板刃物工芸館

打刃物について学んだ埼玉大の学生らが、成果を披露した作品展「むすんでひらいて」=長岡市の与板刃物工芸館

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与板で打刃物学ぶ埼玉大生 交流の成果作品展に

新潟日報(2017年8月29日)

 長岡市与板地域で伝統工芸品「打刃物」の研修を続けている埼玉大学教育学部芸術専修美術分野の学生らが、打刃物で作った木工などを並べた作品展「むすんでひらいて」が、同市与板町与板の与板刃物工芸館で開かれている。埼玉大は学生らが制作に使う道具についての理解を深めようと、10年余りにわたって与板の鍛冶職人から刃物作りを学んできた。学生らは「取り組みの成果を見てほしい」と意気込んでいる。

 与板での研修は、埼玉大の教授が打刃物関係者と知り合いだったことから2006年に始まった。これまで参加した学生は延べ約150人に上る。地元職人から手ほどきを受けたり、三条市の鍛冶職人の仕事ぶりを見学したりしてきた。学生らは、自分の作品制作に研修で作った打刃物を使用している。

 今回の作品展は、これまでの活動や交流の成果をまとめようと学生らでつくる実行委員会が企画。学生らが作った約50本の刃物のほか、木工や焼き物などを並べた。地元職人の手による刃物も展示されている。

 出品した埼玉大4年の富原冴恵さん(22)は「与板でものづくりの感動を味わい、自分が必要とする刃物をもっと作りたいと思った。将来は美術教員になり、体験することの大切さを教えたい」と話した。

 刃物作りを教えてきた職人の川野正さん(69)は「家具職人になった卒業生もおり、10年以上続いた研修の成果が実感できて感慨深い」と語った。

 作品展は9月17日までの午前10時半~午後4時。問い合わせは川野さん、0258(72)2619。

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