県水墨美術館で15日開幕する企画展「京都六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)"心音図(こころねず)"奉納記念 中島潔"今"を生きる-そして伝えたいこと」の展示作業が13日始まり、郷愁あふれる童画や地獄絵の大作などが陳列ケースに飾られた。
中島潔さんは1943年生まれ。佐賀県の出身で、高校卒業後、独学で絵に取り組み、82年にNHK「みんなのうた」のイメージ画で注目を集めた。緻密なタッチの童画や女性画で人気を集め、懐かしい日本の原風景を美しい四季に乗せて描く作風から「風の画家」の愛称で親しまれている。
初期の代表作から新シリーズ「新しい風」まで約120点を紹介する。会場では、展示スタッフ7人が、前日到着したばかりの作品を荷ほどきし、作業に当たった。「地獄心音図」は地獄の世界を独特のタッチで描いた5枚組の連作で、人の目と同じ見やすい高さに掲げ、横一列に並べた。担当の遠藤亮平学芸員は「中島さんの絵を目にしたことがある人は多いはず。幅広い世代が楽しめる作品がそろった」と話す。
14日は中島さんが来館し、自ら展示を確かめる。