福井県鯖江市冬島町の「バラの果樹園」で、果物の女王と呼ばれ栽培が困難とされるブドウ「マスカット・オブ・アレキサンドリア」が実を付け、来場者の人気を集めている。同園の山田利信さん(70)は「育てるのは大変だが、食べた人においしいと言ってもらえるのが、何物にも代え難い喜び」と話している。
山田さんが同園を開業したのは2015年。10年ほど前から専門書などを参考に勉強を重ね、土づくりからこだわり手作業で畑を広げ続けてきた。今では広さ約50アールにブドウ30品種と桃20品種、それぞれ100本以上を栽培する。
アレキサンドリアはビニールハウス内に4年前に植樹。一般的なブドウとは房の作り方が違うなど苦労も多かったが、早朝から畑へ向かい気象条件に合わせた世話を続けてきた。毎年実はなってきたが、今年は特に出来栄えが良いという。山田さんは「プロにも負けない味」と太鼓判を押す。
県園芸センターによると、アレキサンドリアはマスカットの品種の中でも温度管理が難しく皮に傷が付きやすい。県内で栽培に成功するのは珍しいという。
ブドウは11月半ばまで、1キロ1500円から来園者に直接販売している。アレキサンドリアは人気のため残り少なくなっている。