重厚さの中に近代和風住宅の雰囲気を醸し出す白田邸=上越市頸城区森本

重厚さの中に近代和風住宅の雰囲気を醸し出す白田邸=上越市頸城区森本

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上越、国有形文化財・白田邸 11月19日一般公開

新潟日報(2017年9月20日)

 上越市頸城区森本の国登録有形文化財白田邸の改修や庭園の整備などを目的に、市民有志らが白田邸保存会を設立した。会では、庭の紅葉が見頃を迎える11月19日に初めて一般公開することも決めた。関係者は「頸城の宝として後世に伝えるとともに、大勢の人に来てもらい地域の発展につなげたい」と話している。

 白田家住宅は1918(大正7)年建築の近代和風住宅。かつて磯部村(現糸魚川市)にあった大肝煎(おおきもいり)、斉藤家の建造物を移築した。明治天皇の北陸巡幸では休憩所として使われたという。白田家は名家で旧明治村(現頸城区)の村長を代々務めた。

 住宅主屋の太い柱や梁(はり)は重量感にあふれ、ガラス建具や欄間に透かし彫りが施されている。庭の山モミジは、春の芽だしや秋の紅葉で色鮮やかになる。

 区内で13日に開かれた設立総会には、地元の観光関係者や大工、有志ら約10人が出席。会長に頸城園芸(上越市春日野1)の今川義英社長(72)を選出した。白田邸の魅力を伝えようと、今後、市の補助金を活用して老朽化した部分の改修や庭木の枝切りなどを行うことを確認。庭園の散策会などを開き、誘客につなげることも話し合われたほか、知名度を高めるため、区内の坂口記念館や豪農の屋敷瀧本邸などと連携していくことも決めた。

 今川会長は「朽ち果てさせず、当主に負担が掛からないよう支える。若い人に興味を持ってもらえるイベントを企画して、裾野を広げていきたい」と意気込む。白田邸に住む7代目当主の白田美和子さん(72)は「吟味されて凝った建物で価値がある。一度壊したら二度と建てられないので感謝したい」と話した。

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