国重要無形民俗文化財「お熊甲祭(くまかぶとまつり)」は20日、七尾市中島町宮前の久麻加夫(くまかぶ)都(と)阿良加志比古(あらかしひこ)神社などで行われた。暴風雨の中、20メートルを超える深紅の枠旗(わくばた)を地面すれすれに倒す妙技「島田くずし」が2年ぶりに披露され、観客が歓声を上げた。
早朝から、天狗(てんぐ)面の猿田彦に導かれた行列が境内に次々と集まった。鉦(かね)や太鼓が鳴り響く中、16末社から繰り出した神輿(みこし)や枠旗を担いだ男衆が「オイッサー、オイッサー」の掛け声とともに拝殿前に走り込んだ。
各末社の猿田彦が一斉に舞を披露する奉幣(ほうへい)式が行われた後、神社から約700メートル離れたお旅所「加茂原」へ練り歩く渡御(とぎょ)が行われた。その後、激しい風雨に見舞われたが、一部の末社の男衆が島田くずしを披露した。昨年は雨で中止となっていたため、観客は2年ぶりの妙技を堪能した。