小諸市東小諸の大西製粉でソバの実が人気だ。夏にテレビ番組で健康食として紹介され、注文量が十数倍に。そば粉として製粉すると取り除かれてしまう胚芽や甘皮の栄養分を丸ごと食べられるのが特徴で、ソバの新たな味わい方が広がることを期待している。
扱うソバの実は、専用の機械で外側の黒皮をむいてある。同社によると、そのままだとミネラルや食物繊維が豊富に含まれる。だが、製粉すると、実が崩れ、胚芽などはふるいに残されてしまうという。ソバの実は、ゆでるとプリプリとした食感が際立ち、雑炊や雑穀ご飯、あえ物などとして食べることを勧めている。
同社会長の大西崇弘さん(70)によると、5年ほど前、ソバの実を扱っていないか―と外国人から同社に問い合わせがあり、海外にはソバの実を食べる文化があることを知ったという。そばを打つことはできないので自家栽培したソバを実で食べたい―という地元農家もあり、ソバの実の需要を確信。2年ほど前に専用の機械を導入した。
同社は、佐久地域産のソバの実を300グラム(税込み580円)から販売。インターネット販売では全国から注文があり、1キロパックを複数購入する客も多いという。地元のスーパーマーケットにも卸し、現在は機械を「フル稼働」させている状態だ。
同社は具材を生地で包んで味わう料理「ガレット」用のそば粉も販売している。大西さんは「ソバにはまだまだ可能性がある」と自信をのぞかせている。問い合わせは同社のフリーダイヤル(電話0120・570585)へ。