飯田下伊那地方特産の干し柿「市田柿」を加工・販売している下伊那郡高森町の天竜産業が、市田柿をすりつぶし、平たく延ばした「のし柿」を考案した。形がふぞろいだったりして市場流通しない柿を生かし、さまざまにアレンジできる新しい食材として提案していくという。
同社によると、1年間に取り扱う市田柿約60トンのうち600キロほどは規格外で、これまではほとんど廃棄してきたという。その有効利用とともに、若い女性や子どもたちにも市田柿の味を知ってほしい―と開発した。
四角いせんべいのような形で市田柿の甘さはそのまま。ねっちりとした食感で、チーズを巻いて酒のつまみに、あんこを載せて菓子にといろいろな食べ方が楽しめ、細く切って料理でも使える。市田柿の旬は冬場だが、同社は、一年中味わうことができるのも商品の魅力―としている。
市田柿の消費拡大と町のPRにつなげたいと、同社はこれまでも市田柿の皮を使ったかりんとうやサイダーなど8種類の加工品を開発してきた。社長の原八州彦(やすひこ)さん(61)は「乳製品やナッツとも相性がいい。塩気のあるものと合わせると、今までとは違った味わいが楽しめるはず」と話している。
1個(5グラム)50円。10月1日から販売を始める。問い合わせは同社(電話0265・35・2068)へ。