南砺市井波地域中心部の八日町通り周辺の商店13カ所の軒などに新名物として、地元彫刻師が作った木彫刻のネコが設置された。それぞれの店の特徴や風情に合わせたユニークな姿で「彫刻の町」をアピール。設置した瑞泉寺前商盛会(清都英雄会長)は、観光客の滞在時間延長への波及効果を狙っている。
設置されたエリアは井波別院瑞泉寺の門前に位置する八日町と六日町。石畳の通り沿いに格子戸付きの木造家屋や商店が並び、観光客らの散策コースとして親しまれる。工房を構える彫刻師も多く、日常的に響くのみ音も名物になっている。
これまでも家主の干支(えと)を刻んだ表札などをそろえ、木彫の町らしさを演出。今回は地元の瑞泉寺前彫刻部会(前川正治部会長)の協力を得て、木彫刻のネコ13個をそろえ、うち10個を商店や旅館の軒や屋根などに設置した。残る3個は固定せず、外から見える屋内に飾る。
作者は日展会員や伝統工芸士ら。各店主らと相談し、その店にふさわしい風情に仕上げた。酒店のネコは、寝そべりながら酒をとくりから杯に注ぐ姿。酒造場のネコは、軒先の柱から杉玉に飛び移ろうとしている様子を表した。
設置に合わせ、30日から11月12日まで、来訪者に周辺を巡ってこれらのネコを探してもらう「お散歩ラリー」を行い、参加者には抽選で地元の老舗旅館ペア宿泊券や各商店自慢の商品セットなどを贈る。
清都会長は「商店の魅力再発見や滞在時間延長につながればいい」と波及効果を期待している。県の「がんばる商店街補助事業」で県、市から半額助成を受けた。