降り注ぐ火の粉の中で威勢良く桶を振る若者

降り注ぐ火の粉の中で威勢良く桶を振る若者

長野県 伊那路 祭り・催し

降り注ぐ火の粉 飯田の七久里神社で「裸祭り」

信濃毎日新聞(2017年10月1日)

 飯田市山本の七久里(ななくり)神社で30日夜、600年以上続くとされる伝統の「裸祭り」があった。五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災などを祈り、七つの集落から1人ずつ選ばれた若い男性たちが上半身裸で桶(おけ)を振った。勢いよく降り注ぐ火の粉をものともしない勇姿に、観客たちは引きつけられていた。

 午後7時、大輪の打ち上げ花火とともに、各集落の住民が境内に集まり、子どもから大人までの「オイサ」「オイヨ」と力強い掛け声で、会場が一つになった。境内中央にある筒状の花火「連合大三国」の下で7人が一斉に桶を振ると、盛り上がりは最高潮に。

 桶を振った熊谷純久さん(37)は、15キロある桶を想定し、2歳の娘を持ち上げて練習に励んできた。「勝手が違って思ったより大変だったが、周りの声援で最後までやりきれた」。祖母の岡庭きよさん(88)は孫の晴れ舞台を見に、若い頃はよく訪れたという祭りに久しぶりに足を運んだ。「(孫が)まさか選ばれるとは思っていなかったので、本当にうれしい」と目を細めていた。

今月のお得な国内ツアー びゅう

伊那路 ニュース