浅間山(長野・群馬県境、2568メートル)の2カ所の登山口を貸し切りバスでつなぎ、二つの登山コースを周遊するモニターツアーが9日あった。浅間山は2015年に起きたごく小規模な噴火で入山規制がかかり、登山客が減少している。周遊コースで客足を回復できるか判断するため、県佐久地域振興局(佐久市)が企画した。県内の19人が募集に応じ、大自然を楽しんだ。
浅間山登山は、高峰高原の車坂峠発の「黒斑(くろふ)コース」、天狗(てんぐ)温泉浅間山荘発の「火山館コース」のどちらかを通るのが一般的。15年の噴火以降、両コースが合流する地点から山頂方面に向かう登山道は入山規制中だ。県は約13キロ離れた両登山口をバスでつなげばどれだけの利用が見込めるか探るため、ツアーを企画した。
参加者は車坂峠近くの高峰高原ビジターセンターに集合し、尾根を伝って鋸(のこぎり)岳へ。眺望を楽しんだ後、火山館経由で同山荘に下った。その後、バスで山荘前から高峰高原に戻った。会社員鈴木俊幸さん(43)=佐久市常和=は「(黒斑コースの)稜線(りょうせん)からの絶景と(火山館コースの)紅葉の両方を満喫できた。手軽な乗車賃でバスが定期運行するとありがたい」と期待した。
県は参加者から回収したアンケートを基に、周遊コース設定について検討する。