カトリックの「福者(ふくしゃ)」となった加賀藩ゆかりのキリシタン大名・高山右近の「聖遺物(せいいぶつ)」を収める安置箱が12日完成し、金沢市のカトリック金沢教会に設置された。聖遺物が石川県内に所蔵されるのは初めてとなる。15日に行う安置式後、聖堂で常時公開する。
安置箱は高さ約60センチ、幅約30センチで、信徒の山口征三金沢学院大名誉教授が、金沢教会の入り口に採用されているゴシック様式に着想を得てデザインした。材質はステンレス、窓部分は強化ガラスを用いた丈夫な構造で、鈴永隆司県屋外広告業協同組合監事が制作した。
この日は、安置箱が祭壇右手の壁に取り付けられ、制作者や信徒の吉岡浩さん、クリストフォロ・カヴァルザン神父らが立ち合った。安置式で、聖遺物を箱の中に収める。チプリアノ・ボンタッキョ主任司祭は「右近へとりなしの祈りをささげるため、教会を訪れてほしい」と語った。