南砺市利賀地域の秋を彩る「ど~んと利賀の山祭り」が21日、同市利賀村坂上のそばの郷(さと)広場で始まった。かつて合掌造り家屋の土台を造る際に行われた伝統儀式「石かち」が来場者を交えて勇壮に再現され、山里に活気を呼び込んだ。22日まで。
石かちは、合掌造り家屋を新築する際、基礎石を固定するために行われた儀式。基礎石の上にやぐらを組み、中心に据えた木柱を、複数方向から綱を引くことで上下させ、石を突き固める。綱を引く行為には福を引き寄せるという意味も込められている。
山祭りでは高さ約10メートルの木柱を用意し、紅葉の木々をバックに行われた。綱を住民や来場者が持ち、地元の上利賀振興会(米倉宗嗣会長)メンバーの音頭に合わせ、「よいしょ」の掛け声とともに石を突いた。上利賀地区出身の田中幹夫市長も加わった。
会場では新そばや赤カブ、キノコなどが販売された。22日は午前と午後に計3回、石かちがあるほか、利賀村むぎや節保存会や子ども民謡保存会が民謡を演じる。