ラムサール条約に登録されている福井県敦賀市樫曲の中池見湿地のビジターセンターで、野鳥の羽根を収集している福井市の愛好家のコレクション展が開かれている。中池見湿地は170種以上の野鳥が確認されており、NPO法人中池見ねっとの担当者は「展示や屋外を観察してもらい関心を深めてもらえれば」と呼び掛けている。
愛好家は「日本野鳥の会福井県」会員の鈴川文夫さん。県内各地で鳥の羽根を集めており、今回は中池見湿地で観察できる野鳥を中心に50種を並べた。同会会員の横山大八さんの絵や、吉田麻里子さんのイラスト付き説明文、田川亨さんの写真も添えた。
ヤマドリの尾羽は黒や茶色のグラデーションがかかった鮮やかな印象。イラストで翼を激しくはばたかせる様子を描き、「深い山の中にすんでいる」と説明している。
フクロウは餌を捕るために羽音をたてずに飛ぶことを説明し、ふわふわとした軟らかい消音効果のある羽根を並べた。
光を当てると緑がかって反射するカルガモの羽根や、青紫がかって見えるマガモの羽根などもある。会場には顕微鏡を置き、ファスナーのようにひっついたり、離れたりする羽根の様子を見ることができる。
羽根は展示していないものの、ラムサール条約登録の要件にもなったノジコの特徴も説明。「日本でしか繁殖が確認されておらず、世界的に絶滅が危惧されている」などと写真をつけて紹介した。