地元住民やマリの子ポチが看板の完成を祝った設置式=23日、長岡市山古志東竹沢

地元住民やマリの子ポチが看板の完成を祝った設置式=23日、長岡市山古志東竹沢

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山古志のマリの記憶いつまでも 中越地震で飼い主ら守る

新潟日報(2017年10月27日)

 2004年の中越地震で飼い主と3匹の子犬を守った姿が映画化され、昨年6月に天国に旅立った犬のマリを描いた看板が23日、故郷の長岡市山古志東竹沢に設置された。地元住民約30人やマリの子「ポチ」も駆け付け、中越地震の発生日に完成を祝った。

 看板は縦90センチ、横180センチで、犬小屋やマリと3匹の子犬の木像とともに、同所の駐車場に設置された。マリの功績を後世に残そうと山古志住民らでつくる「山古志東竹沢村」が発案し、募金活動や資金を出し合って完成にこぎ着けた。

 中越地震時、マリは飼い主で同所の市職員五十嵐豊さん(52)方におり、五十嵐さんの父で故高繁さんがタンスの下敷きになる緊急事態に遭遇した。

 マリは3匹の子犬を産んだばかりにもかかわらず、飛び散るガラスの破片で体を傷付けながら高繁さんと子犬の間を何度も往復。余震が続く中、高繁さんの顔をなめて励まし続けたエピソードは絵本や映画のモデルにもなり、多くの被災者の心を温めた。

 東竹沢村代表の小川喜太郎さん(67)は「マリは住民たちの誇りで、物語をこれからも残したかった。たくさんの人が今後も"マリ"に会いに来てくれたら」と目を細めた。

 犬小屋のマリの像には、ポチら3匹の子犬の像が寄り添うように並ぶ。駆け付けた本物のポチも"母親"との再会を果たし、尻尾を振ってうれしそう。マリの飼い主だった五十嵐さんは「中越地震の記憶とともに、マリの思い出が皆さんの心の中に残り続けてくれたら」と話した。

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