式典後の内覧会で、資料館に展示されている大がめを見学する児童=28日、福井県越前町小曽原の越前古窯博物館

式典後の内覧会で、資料館に展示されている大がめを見学する児童=28日、福井県越前町小曽原の越前古窯博物館

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越前陶芸村で古窯博物館が開館 越前焼と茶、融合して発信

福井新聞(2017年10月29日)

 福井県越前町の越前陶芸村で県が整備してきた越前古窯博物館が完成し28日、開館記念式典が同館で行われた。県内の政財界や文化関係者、地元児童ら約120人が参加。越前焼など県内の伝統工芸の歴史や魅力を茶の文化と融合して研究、発信していく新たな拠点施設の門出を祝った。

 あいさつに立った西川一誠知事は「建物には県内の伝統の技を随所に使用している」などと施設を紹介。「伝統的なものづくり拠点の一つとして位置づけ、福井国体・障害者スポーツ大会や北陸新幹線敦賀開業に向けて多くの人が訪れるよう努力してきたい」と述べ、同館を拠点に文化や観光交流を活発化させる企画展開に意欲を示した。

 西川知事のほか、越前町の内藤俊三町長、越前焼工業協同組合の吉田豊一理事長、県茶道連盟和光会の吉田真士会長(福井新聞社社長)ら8人が地元児童と一緒にテープカットし、同陶芸村で23年ぶりとなる新たな文化施設の完成を祝福した。

 内覧会に続いて茶席が設けられ、丹生山地の伝統家屋の趣を漂わせる和室や、福井ゆかりの岡倉天心の名を冠した茶室で、福井茶の湯同好会の会員らが参加者にお点前を披露した。

 同館は、県陶芸館北側の2960平方メートルに2015年から整備を進めてきた。県内の茶道、華道など文化関係者の交流を図る施設として越前焼研究の第一人者、故水野九右衛門氏の自宅古民家を移築。北隣に資料館を併設し、水野氏が町内山中に眠る窯跡で収集した陶片など約3万7千点の資料を展示、研究する。また南側に設けた二つの茶室では、天心を顕彰する茶会などを開き、越前焼の新たな魅力を開拓、発信していく。

 観覧料は資料館の常設展が200円。高校生以下と70歳以上は無料。

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