三条市本町2の真宗大谷派三条別院は、露店などでにぎわう恒例行事「お取り越し報恩講」(11月5~8日)で、近隣の商店街と初めて本格的に連携している。来訪者の減少に歯止めを掛けたい三条別院と、地域の活性化につなげたい商店街の思いが合致して実現した。「これまで以上に地域に開かれた行事にしたい」と関係者は意気込んでいる。
お取り越し報恩講は、浄土真宗の開祖、親鸞聖人の命日にちなんだ重要行事。毎年、法話や音楽法要が営まれるほか、参道には露店が並ぶ。三条別院は県内の真宗大谷派寺院の中心的存在で、期間中は県内各地から門徒が集まる。
三条別院によると、近年は地元住民の来訪者が少なく、露店も減少傾向にある。三条別院が近隣の三条中央商店街に協力を求めたところ、盛り上げに向けて意気投合したという。
新たに企画したのは、飲食や文具など約15店が参加した「超難解スタンプラリー」。クイズなど店ごとで課題をクリアするとスタンプをもらえる仕組み。一定の数を集めるとオリジナル手拭いなどの特典がある。
クイズは創業年や店名の由来などで、店員との会話で答えを引き出すことができる。商店街の魅力である、店員とのコミュニケーションを楽しんでもらうのが狙いだ。
お取り越し報恩講に合わせた特別メニューや商品の販売もある。商店街には、2015年の親鸞聖人750回御遠忌法要の際に使われたのぼり約80本が並び、ムードを盛り上げている。
三条中央商店街振興組合の小松正明副理事長は「地域の財産の三条別院を商店街としても生かしたい」、三条別院の斎木浩一郎・列座兼書記は「行事を盛り上げ、仏教に触れてもらうきっかけにしたい」とそれぞれ意義を語った。
問い合わせは三条別院、0256(33)0007、三条中央商店街事務所、0256(32)6200。