福井県おおい町特産のジネンジョの初掘りが11月21日、同町名田庄井上の畑で行われた。小雨が降る中、生産者たちはジネンジョを掘り起こし「今年も上等」「ええもんが採れた」と話しながら丁寧に一つずつ並べていった。26日には同町名田庄小倉のあきない館前で「じねんじょ祭り」が開かれ、ジネンジョの即売などが行われる。
同町のジネンジョは1982年、特産品づくりの一環として生産を開始。専用のパイプを使って栽培している。独特の粘りと甘みが特徴で、12~14度ある朝晩の寒暖差と、赤土系の土質が栽培に適し、良質の物ができるという。
今年は名田庄自然薯生産組合の約30軒が、計50アールの畑で約1万1千本を栽培。5月に赤土と種芋を入れた専用のパイプを定植し、畑に埋めた。
この日は生産者約20人が、長さ約1メートルに育ったジネンジョを次々と収穫した。大きい物で約1・5キロあり、同組合の小西勇組合長(79)はずらりと並んだジネンジョを見て「今年も上々の出来栄え」と満足そうだった。
同組合によると「寒くなればなるほどイモに甘みが増す」という。収穫は12月20日ごろまで続き、平年並みの約5トン以上を見込んでいる。
26日は午前9時から午後3時まで、計約700~800キロのジネンジョが即売されるほか、ジネンジョとろろそばや、ぼたん鍋などの販売もある。
ジネンジョの注文や問い合わせは、第三セクター「名田庄商会」=電話0770(67)2272。