1991年の就航以来、26年にわたって諏訪湖の観光客を楽しませてきた大型遊覧船「おやこはくちょう丸」(乗員含め定員180人)が30日、運航を終えた。乗客の減少などから、遊覧船事業を手掛けるぬのはん(諏訪市)が廃船を決めた。最終便の乗客はデッキから桟橋に色とりどりの紙テープを投げ、別れを惜しんだ。
諏訪市の原田鶴子(たづこ)さん(76)は久しぶりの乗船といい、「今日は水が澄んで波も穏やか。見送るにはいい日だった」。
最終便の船長、後藤智明さん(49)は20年余、おやこはくちょう丸のかじを取ってきた。乗客を降ろした後、「人の命を預かってきたこれまでのことが頭に浮かび、目頭が熱くなった」と話した。
ぬのはんは残る「いるか号」(乗員含め定員45人)の運航を続ける。諏訪湖では他に、アルピコグループの諏訪湖観光汽船が「すわん」(同180人)と「竜宮丸」(同150人)を運航している。