塩尻市奈良井の女性8人でつくる「桜香(ほのか)会」、松本市の百貨店井上、日本の有用植物である「和ハーブ」の普及活動をする「和ハーブ協会」(東京)が、奈良井産の大きなフキ「トウブキ」を使ったチョコレートを共同開発した。トウブキをチョコレートでコーティングし、高級感を出した。12日、奈良井宿の飲食店でお披露目会があった。奈良井宿のブランドとして広めたいと張り切っている。
井上の井上博文・常務執行役員(43)と同協会のプロデューサーが友人だった縁で、和ハーブを使った商品開発を検討。同協会と交流があった桜香会が、名物にしようと加工に取り組んでいるトウブキを使うことにした。
奈良井で収穫したトウブキを塩漬けにした後、塩を抜いてシロップ漬けにした。松本市のチョコレート製造会社と、トウブキに合うチョコレートを試食会を繰り返して探した。長さ5センチほどのトウブキの中はゼリーのような食感にした。チョコレートの甘さにトウブキの風味が加わり、独特の味わいになった。
桜香会代表の滝沢孝子さん(65)は「高級感のあるものができて感激。チョコとして食べるだけでなく、ケーキの飾りなどいろいろに使ってほしい」。井上さんは「奈良井宿の地域ブランドとして根付いてほしい」と期待。和ハーブ協会の古谷暢基(まさき)理事長(50)は「最初はフキで作ると聞き、おいしいかなと思ったが、食べたらおいしくてびっくりした」と話していた。
チョコレートは10本入りで1080円。パッケージは松本市のグラフィックデザイナー梅川茜さん(36)がデザインした。奈良井宿では13日、井上と商業施設「アイシティ21」(東筑摩郡山形村)で14日から販売する。