「温泉バル」開催に向け、寄付を呼び掛けている岡田さん

「温泉バル」開催に向け、寄付を呼び掛けている岡田さん

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戸倉上山田で「温泉バル」企画 ネットで寄付呼び掛け

信濃毎日新聞(2017年12月14日)

 千曲市戸倉上山田温泉の旅館や飲食店の関係者らが、温泉街ににぎわいを取り戻そうと、チケットを手に食べ歩きや飲み歩きを楽しむ催し「温泉バル」を初めて企画している。同様の「街バル」は各地で開かれているが、湯巡りもできるのが特徴。2月22日正午から夜までの開催を計画しているものの資金が不足しており、インターネットを通じて寄付を募るクラウドファンディング(CF)で協力を呼び掛けている。

 戸倉上山田温泉地域には、約30軒の旅館と100を超える飲食店が軒を連ねる。温泉には1990年ごろは年間200万人以上が訪れたが、2014年には100万人を下回るように。近年は社員旅行などの団体旅行が減っており、誘客に苦戦している。

 旅館や飲食店の関係者らで温泉バル実行委員会を結成。昼も夜も楽しめる場所が多くあり、県内屈指の泉質を気軽に体験してもらうとともに、旅館や飲食店の連携を強め、地域全体の魅力を高めていく機会にする狙いもある。

 温泉バルには、旅館や飲食店、日帰り温泉施設計約60施設の参加を見込む。利用客に5枚つづりのチケット(前売り3500円、当日4千円)を購入してもらい、1枚で千円相当のサービスを提供する。飲食店は温泉バル専用の特別メニューを用意。普段は日帰り入浴を受け付けていない旅館も、大浴場を開放し、湯上がりのデザートを付けたプランを設ける。ほかにも温泉街の各所でイベントを開く考えだ。戸倉駅と温泉街間は、終電の時間までシャトルバスを運行する。

 CFでは3千円の寄付に対し、チケットを贈るプランがある。来年1月以降に販売する前売り券よりも割安だ。「温泉バル」の当日以降に利用できる温泉宿泊券が付いたプランもある。

 実行委によると、CFの目標額は60万円。27日までCFサイト「ShowBoat(ショー・ボート)」で受け付けている。寄付の申し込みの合計が目標額に達しなかった場合、実行委は寄付を受け取ることができない仕組み。寄付が集まらなくても開催を目指すが、参加施設が減るなど規模は縮小することになる。一方、寄付が60万円以上集まった場合は、長野、上田両駅からもシャトルバスを運行し、より広い範囲から人を集めることを計画している。

 実行委事務局で、コワーキングスペース「アルゴット戸倉」を運営する岡田拓也さん(37)は「まずは1回、温泉街や店舗に足を踏み入れてもらい、気軽に楽しめる街だと知ってもらいたい」と話している。問い合わせはアルゴット戸倉(電話050・5316・5078)へ。

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