2014年の御嶽山噴火以降、観光客が戻りきらない木曽郡王滝村を応援しようと、村を中心に撮影した映画「維新烈風天狗(てんぐ)判官」が完成し、来年1月1日に村公民館で上映される。元映画プロデューサーで、文京学院大(東京)の公野(くの)勉教授が監督を務める。都内での劇場公開も予定されており、村の魅力を知り、訪れるきっかけになればと期待している。
映画は、幕末のアクション時代劇。将軍に嫁ぐ皇女和宮(かずのみや)が中山道を通り、王滝村に着いたところで事件が起きるという粗筋だ。村内の県西部地震でできた自然湖などで撮影し、特撮作品に出演する役者らが出演している。アクションシーンの指導は、日光江戸村(栃木県日光市)の関係者が協力した。上映時間は1時間44分。
公野教授は15年秋、経営やマーケティングを学ぶ学生とともに村を訪問。学生たちが地域活性化策を考える中、村を応援する方法として、村を舞台にした映画作りを提案した。長野県の地域発元気づくり支援金も活用し、昨夏に村で撮影した。「映画のロケ地が人気となる例があるため、王滝村もそうなることを期待している」と話す。
21日に文京学院大で学生や制作チーム向けの試写会があるほか、来年2月24日〜3月2日に東京の池袋シネマ・ロサで公開される。公野教授は「特撮作品などで知られた役者を集めており、前売りの売れ行きは上々」と話す。
村公民館での上映は午前11時から。入場無料。村おこし推進課の担当者は「評判がよければ、その後も上映したい」としている。