ガンドは取引されたが、寒ブリの取引はなかった止め市=七尾市公設地方卸売市場

ガンドは取引されたが、寒ブリの取引はなかった止め市=七尾市公設地方卸売市場

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七尾で止め市、寒ブリ不漁

北國新聞(2017年12月31日)

 北陸の冬の味覚「寒ブリ」が石川、富山県で不漁となっている。富山湾の定置網漁が低調で、七尾市公設地方卸売市場では12月の取引量が約4トンと、前年の4分の1にとどまる。氷見市の氷見魚市場の「ひみ寒ぶり」の水揚げ本数は過去最少ペースだ。一方、新潟県佐渡沖は記録的な豊漁となっており、例年、佐渡島北側を通って富山湾に南下するブリの回遊ルートが、今年は佐渡島南側に移行した可能性も指摘される。
 七尾市公設地方卸売市場では30日、止め市が開かれた。60~80センチのブリ「ガンド」は取引されたが、寒ブリの姿はなかった。七尾魚市場によると、能登島や富山湾沖の定置網によるブリの取引量は、11月が前年比2トン減の9・3トン、12月は12トン減の4トンで、豊漁だった2013年12月と比べると10分の1となった。
 国内有数の寒ブリの水揚げ量を誇る岸端定置網組合(七尾市)の一瀬保夫組合長は「こうも寒ブリが揚がらないと、経営が傾きかねない」と頭を抱える。
 石川県水産総合センター(能登町)によると、ブリは冷たい海水を避ける習性があり、冬場は日本海を南下して東シナ海に戻る。能登沖に冷水が入ると、ブリは富山湾沿岸寄りを回遊し、水揚げ量が増える傾向にある。12月の能登沖の冷水の張り出しは例年並みで、豊漁の条件はそろっていたという。
 しかし、石川県内の11月1日~12月15日の定置網漁による寒ブリの水揚げ量は104トンで、前年の219トンの半分にも満たなかった。対照的に新潟県の佐渡沖の定置網漁は好調で、11月の水揚げ量は前年の8倍以上となる466トンに上った。主に佐渡島の本州側にある両津湾で豊漁となっている。七尾市の漁業関係者は「富山湾に入る前に多くが捕られてしまったのではないか」と話した。
 氷見魚市場では、今月2日に出荷開始を宣言したひみ寒ぶりの水揚げ本数が27日現在4316本にとどまる。ひみ寒ぶりは、冬場に富山湾の定置網産の同市場で競りに掛けられた一定の重さを満たしたブリ。宣言以降の12月中の水揚げ本数は16年が1万6815本、14年が5426本、13年が4万1204本となっている。

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