会場には、石井が彫塑講習会で制作した「信濃男坐像」(中央)も並ぶ

会場には、石井が彫塑講習会で制作した「信濃男坐像」(中央)も並ぶ

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石井鶴三、彫刻に光 上田ゆかりの芸術家、企画展

信濃毎日新聞(2018年1月5日)

 上田市天神の市立美術館は4日、同市ゆかりの芸術家石井鶴三(1887〜1973年)の彫刻作品を中心にした企画展「石井鶴三立体の美」を始めた。同館によると、石井は洋画や版画など活動分野が広かったが、彫刻に焦点を当てた展示は近年少ない。のみやつちなどの用具も含め、44点余が並ぶ。

 上田地域ではかつて、教師が図画工作の指導方法を学ぶ目的で小県上田教育会が「上田彫塑講習会」を主催していた。東京在住だった石井は1924(大正13)年、同講習会に講師として招かれ、以来46年間、毎年夏に1週間ほど上田市に滞在。教師の前で制作活動に当たった。

 石井が東京美術学校(現東京芸術大)で学んだ時代には、上田市ゆかりの版画家・洋画家山本鼎(かなえ)が石井の実家に下宿。石井も山本に誘われて県内で登山を楽しむようになり、その体験が制作にも影響を与えたという。

 講習会の期間中に上田市で地元の男性を題材にして作ったブロンズ像「信濃男坐像」のほか、大相撲の元横綱大鵬に贈ったとされる大鵬の塑像など横綱審議委員を務めるほど入れ込んだ相撲に関する展示もある。同館は「作品を360度からじっくりと見ることができる貴重な機会」としている。

 2月12日までの午前9時〜午後5時(入場は午後4時半まで)。火曜休み。問い合わせは上田市立美術館(電話0268・27・2300)へ。

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