県農政部が県外でも生産を認める方向で検討している「ナガノパープル」

県農政部が県外でも生産を認める方向で検討している「ナガノパープル」

長野県 特産

県独自品種「ナガノパープル」 県外での生産許諾へ

信濃毎日新聞(2018年1月10日)

 県果樹試験場(須坂市)が開発し、県内に栽培を限定しているブドウの独自品種「ナガノパープル」について、県が4月から県外でも生産を認める方向で検討していることが9日、分かった。全国に生産を広げ、知名度を高めて県内生産者の収益向上につなげる狙い。県農政部は「流通量を増やし、メジャーな品種にできれば、先行して栽培する県内農家の利益につながる」としている。

 黒紫色のナガノパープルは、同試験場が「巨峰」と皮ごと食べられる赤色大粒品種の「リザマート」を交配して育成。04年に品種登録した。種がなく皮ごと食べられる。県農政部によると、都道府県が育成した黒紫色の大玉品種で皮ごと食べられるのは全国的にも珍しく、市場の評価が高い。近年人気の「シャインマスカット」より半月ほど早い8月下旬から収穫できる。

 ナガノパープルの県外での生産許諾について、県農政部は10年以降、生産者や農協グループに意見を聞いて検討してきた。「おおむね関係者の理解が得られた」(同部)とし、今月下旬に予定する庁内会議で許諾を決める方針。

 苗木の販売は、これまでの県内流通と同様に県果樹種苗協会会員の県内業者が行い、購入した農家から知的財産利用の許諾料をもらう。県外生産者に求める許諾料は県内に比べて高く設定する方向で検討を進めている。

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