第18回とやま青少年伝統芸能祭が21日、県教育文化会館で開かれ、邦楽、日本舞踊、詩吟・剣詩舞、民謡・民舞の4分野で研さんを積む若者ら約120人が、華やかな舞台で新春を彩った。越中国守で万葉歌人、大伴家持の生誕1300年を記念した舞台もあり、伝統と歴史ロマンを感じさせるスケールの大きな内容に観客から大きな拍手が送られた。
2部構成の前半は、県邦楽協会の青少年邦楽合奏団が、箏曲の「鳳仙花(ほうせんか)」で幕開けを飾った。第一箏、第二箏、十七絃、三絃、尺八の5パートに分かれ、優美に演奏。箏曲「もみじば」や、小鼓がずらりと並ぶ大編成で長唄「鞍馬山」も披露した。
日本舞踊のステージでは、中学生から20代までの4人が出演。長唄の「君が代松竹梅」と清元の「折紙」は、たおやかな舞で娘のかわいらしさを表現。牛若丸と弁慶が初めて顔を合わせる場面を描いた長唄の「五條橋」では、緊迫感のあるムードの中、呼吸の合った立ち回りを見せた。
後半の詩吟・剣詩舞は「大伴家持生誕一三〇〇年記念~越中万葉を詠ず~」と題し、「立山に」「二上山」「堅香子(かたかご)の花」など家持が詠んだ歌を中心に披露。万葉衣装に身を包んだ出演者が、詩舞、剣詩舞を交え、雪を頂く雄大な立山連峰をはじめ、富山の景色を情感豊かに吟じた。
ラストは、民謡・民舞が全国各地の民謡でしめくくった。富山の「麦屋節」や「越中おわら節」から「長崎のんのこ節」、北海道の「出船音頭」まで多彩な曲を、踊りや歌、三味線も一体となった内容で聴衆を魅了した。
幕あいには出演者へのインタビューもあり、それぞれに「さらに技術を高めたい」「きれいな音が出せるよう努力を重ねる」と決意を語った。
とやま青少年伝統芸能祭は、伝統芸能の裾野を広げようと毎年開いている。県教育文化会館、県芸術文化協会、北日本新聞社など主催。