借金取りが女性に絡むシーンの撮影に臨む出演者。4人とも県内の劇団で活動している=昨年8月、富山市中央通り

借金取りが女性に絡むシーンの撮影に臨む出演者。4人とも県内の劇団で活動している=昨年8月、富山市中央通り

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劇団の枠超え映画「まちむすび」 富山の商店街製作

北日本新聞(2018年1月24日)

 富山市の千石町通り商店街振興組合が第2弾映画として製作し、29日から上映される「まちむすび」は、県内で演劇や音楽、映像に携わる若手らに活躍の場を提供し、その活力を商店街活性化に波及させることを目指している。若手劇団員らが団体の枠を超えて共演したのをはじめ、製作全般を県内スタッフが担当。人の結び付きを生かして作り上げた作品をそれぞれの活動への励みにしている。

 監督を務めた組合副理事長、清水智紀さん(36)=富山市=は「県内に音楽などの若い人材がいるのに、活躍の場が十分にない」と考えていた。「街に若者を呼びたい」との思いも強く、商店街で行われたバンドのミュージックビデオ撮影に協力するなどしてきた。今作では、前作「がんこもん」以上に、若手制作者に関わってもらうことにした。

 これに呼応し、脚本・主演の宇野津達也さん(34)=同=が高岡、黒部、砺波など各地の劇団に出演を呼び掛け、12団体の約40人が参加した。宇野津さんは2001年に劇団「演人全開(えんじんぜんかい) 血が滾(たぎ)ってきたぜ!」を結成。ほかの劇団のメンバーと一定の交流はあるものの、拠点が離れていることや合同稽古の難しさから共演はまれで、こうした機会を心待ちにしていた。

 2人組演劇ユニット「えみてん」の天神祐耶(てんじんゆうや)さん(36)=黒部市、のとえみさん(36)=同=は主要な役で出演した。「ほかの劇団の人と共演する機会を、また舞台などで設けたい」と口をそろえる。

 県内では近年、ロケが盛んだが、商業映画の場合、地元の劇団員が参加してもエキストラになることが多いという。のとさんが黒部市を舞台にした映画に出た際もせりふは一言のみだった。今作について「県内の役者に目を配ってくれ、うれしかった。小道具など映画製作全般についても、富山に人材がいるとあらためて知った」と言う。

 2人は、ともに東京での劇団活動を経て、郷里に戻ってきた。天神さんは「地方でも役者が頑張っていることや、面白い作品を製作できることを知ってもらいたい」と、県内の芸能シーンを一層盛り上げることに意欲を見せた。

 まちむすびは29日~2月3日に北日本新聞ホール、同4日に県教育文化会館、同10~16日にほとり座で上映する。詳細は組合ホームページ(http://www.gankomon.com/)で紹介している。

■廣井さん(富山)音楽担当
 音楽はギタリストの廣井謙次さん(36)=富山市=が担当した。

 廣井さんが作詞作曲した主題歌「ともしび」は、バンド演奏に乗せて、門嶋友美さん(高岡市)が情感豊かに歌い上げている。「僕が歩んでいたこの街をいつも照らしてくれていた」といった歌詞で、街や家族の中で受け継がれる思いを表現した。動画サイト「ユーチューブ」で一部を公開している。

 劇中曲20曲余りも手掛けた廣井さんは「映像をイメージして作ったのは貴重な経験になった」と語った。

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