米国発祥のトークイベント「TEDxHimi(テデックスヒミ)2018」が28日、氷見市宇波の旅館うみあかりで開かれ、多彩な分野で活躍する県内外のスピーカー(講演者)8人がそれぞれ特色ある取り組みを発信した。
テデックスは「価値あるアイデアを広めよう」を理念に国内外で開かれている。氷見市では有志でつくる実行委が16年から行い3回目。今回は、これまでの実績を踏まえた「アウトバウンド(外への発信)」をテーマにした。
引網香月堂(高岡市伏木湊町)4代目店主の引網康博さんは、招き猫形の和菓子作りを実演しながら「伝統の桜餅も先人の挑戦から生まれた菓子だ。新しいことにチャレンジする気持ちを持ち続けたい」と思いを語った。
捕鯨問題を扱った映画「ビハインド・ザ・コーヴ」監督の八木景子さんは「偏向報道や宗教の違い、科学的な判断が通らない国際会議など、映画を通じてさまざまな事象が見えた」とし、「捕鯨問題を考えることは、戦争や資源など世界の諸問題を考えることにつながる」と指摘した。
このほか、プロレスラーのプリティ太田さん、職親プロジェクトに取り組む草刈健太郎さん、保育施設を運営する和泉誠さん、農業と福祉の連携を提唱する川嶋舟さん、段ボールベッドを考案した水谷嘉浩さん、ウイルス研究者の宮沢孝幸さんが登壇。約120人の参加者が聞き入った。
開会に先立ち、ヤブツバキの木と音楽を使ったパフォーマンスが上演された。実行委の川向正明代表が「スピーカーとスタッフ、来場者で、この場から新たなものをつくり上げたい」とあいさつ。スピーカーの発表後に懇親会も開かれた。北日本新聞社後援。