松本市で開くセイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)実行委員会は29日、今年の開催計画を発表した。8月18日〜9月7日の21日間で、全10プログラム16公演。小澤征爾総監督(82)はベートーベンの交響曲第5番「運命」を指揮し、サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)の3公演全てで演奏する。小澤総監督とSKO創設に関わった指揮者の秋山和慶(かずよし)さん(77)が14年ぶりに出演する。
秋山さんは音楽家の斎藤秀雄さん(1902〜74年)に小澤総監督とともに師事。斎藤さんの没後10年に当たる1984(昭和59)年、2人が呼び掛けて東京と大阪で開いたコンサートがSKO創設につながった。出演はサイトウ・キネン・フェスティバル松本時代の2004年以来となる。
昨年まで4年連続で客演した指揮者ファビオ・ルイージさんはスケジュールが合わず出演しない。今回、小澤総監督は若手指揮者を起用。ベネズエラ出身で現在イタリアのフェニーチェ歌劇場首席指揮者を務めるディエゴ・マテウスさん(33)が客演する。11年、14年に続く3回目。
国内外の若手奏者が集う小澤征爾音楽塾オーケストラによるオペラは、プッチーニの「ジャンニ・スキッキ」を上演。「子どものためのオペラ」でも取り上げる。SKOによるオペラは16年から上演していないが、19年以降の実現に向けて調整している。
今回は室内楽のふれあいコンサート3公演も予定しているが、詳細は未定。今後、正式に発表する。
実行委事務局は、SKOの全3公演で小澤総監督が指揮し、うち2公演は秋山さんとマテウスさんとそれぞれ組む今までにない形とし、「新しいオペラの演目も楽しみにしてほしい」としている。チケットは6月9日午前10時に全国一斉発売。問い合わせは事務局(電話0263・39・0001)へ。